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ずんどこPR(仮)

ベンチャー広報「きよし」による自由気ままなブログ。氷川きよしさんのファンではありません。発言は個人の見解です。

「エージェント経由は落とす」メルカリとLINEがほしい新しい広報像を聞いてきた(後編)

イベントレポ

こんばんは。きよし(@kiyoshi502)です。

先日(9月28日)参加した「LINE×メルカリがほしい”新しい広報像”とは」のイベントレポート後編です。
イベント後編では2社への広報にまつわる取り組みや考え方がQ&A形式で語られていきました。

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※前編はこちらからお読みください。
kiyoshi502.hatenablog.com


いちばん伝えるべきなのはコアバリューと自社のスタンス

※当日参加できなかった方向けにそのままに近い会話形式で書いてみます(一部会話の順番などは入れ替えています)

― まずLINEさんに聞きたいのですが、広報はあと何人くらい欲しいのですか?

結論でいうと3名ほどですね。
弊社の広報はマーケティングコミュニケーション(グロース)採用など会社全体のPRの2つに分かれます。 コーポレート広報はかなり充実してきたのでサービス広報がほしいです。個別のサービスをグロースさせるために、もっともっとメディアに出て価値を伝えていきたいと思っています。(矢嶋:以下敬称略)


― サービス広報でいえば、LINEが盛り上がり始めたころは丁度反韓ブームも起こっていましたよね。どのように対応されていたのでしょうか?

国籍で嫌う人は嫌うと思うので、正直価値観の問題だと思います。
大事なのはサービスのコアバリューをきちんと伝えることです。LINEのコアバリューはTwitterFacebookでは出来ない「大切な人とのクローズドなコミュニケーション」。そのことをSNSなどを通じてとにかく発信していきました(矢嶋)


― CtoCサービスを展開されるメルカリさんでは、商品へのクレーム対応などはどのようにされていますか?

私たちの中でまず重要なのは、それが違法であるかどうか
メディアが飛びつくのって「それモラル的にどうなの?」っていう内容のことが多いんですよ。でも我々はあくまで利用規約に乗っ取って判断しています。その利用規約をどう分かりやすく伝えるかに重点を置いて対応していますね(小泉:以下敬称略)


― 両社ともにこのくらいの規模だとサービスの社会的影響力がかなりあると思います。ユーザー同士のトラブルが起こったり、それが報道されたりすることも少なくないですよね。そのあたりはどうお考えですか?

犯罪に使われるのは確かに嫌です。ですが、サービス利用者の増加と、サービスが犯罪や事件に使われるのは正比例です。 なので、過渡期はそういうものだと思って地道に対応していくしかないですね。

ただ、会社としてやるべきことはしっかりやっています。
弊社ではCSRチームが全国の学校をまわってコミュニケーションの仕方をレクチャーする取り組みを年間1000回ほど実施しています。「LINEいじめ」という報道がありましたが、手段としてLINEが使われているだけなので、正しい人と人とのコミュニケーションの取り方を早い時期から教えてあげることで、トラブルを未然に防げる人になってもらおうと。こうした取り組みはやり続けることに意味があります。じわじわと普及すれば理解が深まるんじゃないかな。
成長フェーズによって広報に求められることは変わっていくと思います(矢嶋)


― 小泉さんはいかがですか?

僕の場合は以前ミクシィにいたので、メルカリでも必ずこういう問題が起こると分かっていました。 そこでメルカリでは、CS(カスタマーサポート)に数字を取るようにしてもらっています。警察事案の件数など材料になりそうなデータをとにかく全部とっておきます。そして、メディアだったりユーザーだったり相手によって伝える情報を変えてお届けするんです。ロジカルに説明できれば納得してもらえることも多いので。時にはこうした数字を先に伝えて仲間を作っておく、なんてこともしていますね(小泉)


KPIは「ない」 広告換算では計れない広報の価値

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― では、どの広報も気になっていると思いますが・・・広報のKPIってズバリ何ですか?

ないですね。
よくある広告換算(メディア露出の実績を広告出稿した場合の広告費に換算すること)は本当に意味がないと思っています。 手段が目的になってしまって、本質的ではないですよね。それより大事なのは、出したいタイミングで出したいメッセージをどう出せるか

広報へのミッションは、サービスの場合はそれぞれのフェーズによるので事業部マターで決め、コーポレートは明確には決めておらず、優先順位をつけながら取り組んでもらっています。ただ今後広報の数がもっと増えたら個人目標など設ける必要があるのかな(矢嶋)


ー 2社ともPRと経営層が近いのが特徴的ですよね。

弊社取締役の舛田がそもそも広報理解があり、広報はバックオフィスではなく事業戦略・マーケティングとセットであるべきという考え方を持っています(矢嶋)


ー メルカリ社ではいかがですか?

私がコーポレート部門をすべて見ているので、人事と広報は同じテーブルで仕事をしています。
こうしたコーポレート部門は会社として大きな項目であり、かつファジーな分野でもあるので、経営層が腹決めないといけないんですよ。経営層がしっかり把握して責任を取っているので距離が近いんです。広報側も経営陣が何を考えているか気になっているだろうから細かいことは逐一伝えています(小泉)


ー なるほど。一方で経営層に広報理解がない会社も多いみたいです。そういった会社の広報はどう対応していくべきでしょうか?

そもそもこの時代はいいものを作ったからといって売れるとは限りません。プロモーションを分かっていない経営陣は勝つ気ないんじゃないかなとすら思いますね。経営層も「伝える」ことをやっていかないとだめだと思います(小泉)


ー 矢嶋さんはどう思いますか?

意味のある露出を取っていくのがいいんじゃないでしょうか。LOIに厳しい会社こそ意味のある露出を積み重ねて理解してもらうしかありませんね(矢嶋)


これからの広報に求めるのは情報の「デザイン」力

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ー では採用イベントなので、最後に採用に関連した話を。2社とも落とされる人が多いと聞きますが、どういう判断基準で広報を採用しているのでしょうか?

広報職の場合ですが、うちはそもそもエージェント経由で応募した人は落としています。エージェンシー経由の方は受け身の方が多くて・・・受け身な広報は求めていないので。また実務経験も特に問いません。弊社は社員の半数が未経験です。ベンチャーなので経験者と未経験者のバランスが大事だと思っています。

あと、広報はデザインができないとだめなんですが、それを放棄している人が多いです。これからは情報の「デザイン力」があるかどうかがキーになると思っています。記者だってそういう人じゃないと真面目に話を聞いてくれないんじゃないでしょうか。人脈だけでどうにかなる時代は終わりました
ちなみにメルカリでは一次選考に通過すると課題を出します。A41枚で半年分の広報戦略を考えてもらいますよ(小泉)


ー LINE社はいかがですか?

弊社はまだまだエージェンシー経由で採用しています。でも、小泉さんがおっしゃったとおり直接応募は思いが感じられていいですよね。あとは、2〜3年PR会社などで実務経験を積んである程度広報の限界が見えた中で、熱意や志を持っている人なんかは良いなあと思います。
また、弊社でも課題を設けています。内容としてはサービスのプロモーションを考えていただく感じです。アウトプットを見ればその方の実力が分かります。口だけ上手い人も多いので。

LINEでも受け身な方は落としますね。やっぱり自分で動ける方がいいです。時にはメディアを介さなくともメッセージが発信できるような方。動きが早い会社なので、そうでないと波に飲まれてしまうと思います。あとは自社のカルチャーとどれだけマッチしているかをみています(矢嶋)


まとめと感想

今回のイベントを通じて見えてきた2社が求める「新しい広報像」は下記3点のポイントがありそうです。

  • 自社のスタンスやサービスのコアバリューをメディア掲載にかぎらず様々な手法で発信できる

  • マーケティング、人事、各サービスの事業部や経営層と一緒に発信すべき情報をデザインできる

  • 応募の段階から熱意が感じられる


お話を聞いていて、現役広報担当者だからこそ「たしかに!」と大きく頷ける点が多々ありました。特にKPIの話は共感している広報の方も多かったと思います。

※ちなみにKPIの話はこの記事がかなり参考になるので是非読んでみてください

mag.sendenkaigi.com

その一方で、CM施策の話などやはりLINEさんもメルカリさんも規模が違うなあと圧倒される部分もあり、自社にはない施策の話はとても興味深かったです。

また、個人的には現場の広報担当者がどんな想いでどんなことに取り組んでいるかといった話が聞きたかったですね。懇親会で個別にお話はできましたが、急成長ベンチャーの広報担当者の本音は誰もが気になるところではないでしょうか。とはいえ、マネジメント層のお考えを知ることができ、大変勉強になりました。

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